【現役ドクターが語る】ドクターとナースの関係をうまく改善・強化する方法

【現役ドクターが語る】ドクターとナースの関係をうまく改善・強化する方法

 

「あのドクターこわい!」「あのドクターとうまくやれる自信がない」。

 

ついつい悩んでしまう、気難しいドクターや近寄りがたいドクターとのつき合い方について、病院経営者として長年良質な病院づくりに取り組みながら、消化器外科のドクターとしても多数のナースと関係を築いておられる望月さんに伺いました。

 

望月さんありがとうございます。

 

まずお互いを「パートナー」として認め合うこと

本日は「ナースがドクターとの良好な関係を築くには」というテーマでお話を伺いたいと思います。

 

ドクターとナースの関係は、お互いをパートナーと認識し合っているかどうかで大きく変わってくると思います。

 

先日、他院のあるナースが

 

「高圧的な態度で私達ナースに接するドクターがいて、フラットな関係のコミュニケーションが図れない。何かというと、『文句をいうな!』。ドクターのああいう態度は私たちにはとてもストレスになる」

 

といっていました。

 

こうした時代錯誤的なドクター、お互いを主従関係でとらえているドクターはまだまだ多いかもしれません。また、ナース側にも、従来のような「指示を待つ」という受動的なスタンスでいる人が見られます。

 

けれどもそういう主従関係のもとではこれからのチーム医療は成り立ちません。ドクター側はもちろん、ナースも、お互いをパートなど考え尊重し合うことが、より良い関係を構築するための第一歩です。

 

ドクターとナースを上下関係でとらえがちであることについては、両社の仕事の領域・内容が違う、ということが根底にあるからでしょうか?

 

確かに、医学と看護学は違います。けれども我々医療者は「患者さんを幸せにする」という共通の目標に向け、ドクターはドクターの責務を、ナースはナースの責務を果たしています。

 

つまり患者さんに対し、それぞれの専門領域からアプローチしているわけです。

 

例えば、「24時間ベッドサイドについている」なんてことは、我々ドクターには物理的に絶対できない。我々にできないそういう領域をナースは担ってくれているわけです。ですからお互いの職能・職域を認め合わなきゃいけません。

 

けれども、業者は個々に独立しているわけではありません。図形に例えれば、ドクターという円とナースという円は、同心円ではないものの、重なりあっている2つの円なのです。

 

そして重なり合っている部分は互いに助け合って、やったほうがいいし、そうした両者の重なりあいが大きければ大きいほど、チームプレーに長けた、良い医療を提供している施設ではないかと考えます。

 

こうした意識改革は、どちらかといえばドクター側により多く求められるかもしれません。けれども対等なパートナーであるためにはナースも日々、ドクターに負けないぐらい勉強て欲しい。

 

「指示待ちナース」ではなく、自分で考えて自分で行動する、ドクターとも意見交換できるくらいの知識を持つ、そういう自発的なナースへと自己変革していく心構えが必要です。

 

最も最近は、患者さんに対するサービス精神とか他者への心遣いを備えたドクターが増え、ナースに対する姿勢も昔より遥かに良くなってきていると思います。

 

ですから私は、若手のドクターなどを中心に、ナースとの信頼関係は緊密化していくのではないかと、かなり期待しているんですよ。

相手の良いところを五つ書き出してみる

「ドクターはパートナー」という意識はあっても、個人レベルでは「相性があわない」とか「この人は苦手」といったことがありますよね。

 

「あのドクターとはどうもうまくいかない」というときは、どうすればよいでしょうか。

 

「以心伝心」と言いますが、自分が苦手意識を持つとそれは相手に伝わってしまって、相手も自分を敬遠するようになるものです。

 

だからまず自分から相手を好きになろうとしなければいけません。

 

そのためには、相手の良い面に目を向けることです。

 

どんな人にも良い面と悪い面があります。そして、悪い面にばかり焦点を当てて評価しようとすると「もう1日たりともこの人とは一緒に仕事をしたくない」という気持ちになってしまいます。

 

そうではなく、良い面を探すことが大事です。

 

ですから私はよく言います。「どんなことでもいい。相手の良いところを五つ探し出しそれを紙に書いてみてください」と。

 

「口はすごく悪い人だけど知識はある」とか、「嫌なやつだけど、手術をさせたらうまい。内視鏡下手術だけは評価できる」など。

 

すると不思議なことに「あのドクターも悪いところばかりじゃない」と、ちょっと怒りや苦手意識が和らぎ,少なくとも、仕事上の最低限のつき合いはできるようになります。

 

実は私もかつて「顔も見たくない」というドクターがいまして(笑)その時にこの方法を実行してみたんです。

 

そうしたらそのドクターにも結構評価すべきところがあるとわかり、彼の態度も許せるようになったのです。

 

「どうしても良い面が見当たらない」という場合は、第三者に意見を求めてはどうでしょう。

 

ひとへのイメージは十人十色ですから、「あなたはそんなふうにいうけれど、あなたのこんな面もあるのよ」と、意外な指摘をされるかもしれませんよ。

 

とにかく人間関係においては、「悪い所より良い所に注目して接する」ということが肝要であり、そうすれば決して悪い方向に行かないはずです。

自分自身を「信頼されるナース」かどうか振り返ってみる

 

逆にナースが自分の良い面をアピールするにはどうしたらよいでしょうか

 

「以心伝心」と言いますが、自分が多少うまが合わないと思う人でも、きちんと仕事をこなしているナースには、ドクターも信頼を寄せるようになります。

 

陰日向なく本当にコツコツと組織や仕事に貢献している人は、自らアピールしなくても評価されるものです。

 

逆に仕事ぶりが無責任な人、患者さんに愛情を持たず「とりあえず自分の勤務帯中に問題が起こらなければいい」

 

なんて感じで対処している人は、ドクターはもちろん、スタッフの信頼は得られません。

 

それと、これはナースよりもドクターに多く見られますが、「自分の目標が最優先で、チームプレーは二の次」という人。

 

例えば研究など、自分の興味あることには一生懸命だけれど、その他の業務には熱意がない。

 

みんなとチームプレーができない、というのはいただけません。

 

どれだけ優秀であっても、「患者さん」という共通の目標に向かって、他のスタッフと協調できないというのは、良い医療者とは言えません。

 

そもそも、我々医療者は、1人では無力であり、患者さんを助けることはできないのです。

 

ですから「医療はチームプレーなのだ」という自覚を持って仕事を取り組むこと。

 

そうするとおのずと評価はついてくるものですし、信頼されるようにもなります。

ドクターと若手ナースとのブリッジ役を自覚する

若手にとって、師長や看護部長クラスの人はちょっと気軽にお話し掛けにくいです。けれども主任クラスの人は、相談などもしやすいお姉さん的な存在ではないかと思います。

 

ですからそういう人達には技術的なことだけでなく、精神的にも対人関係においても、若手をサポートしていて欲しいですね。「対ドクター」においては、ドクターと若手とのブリッジ役を果たして欲しいと思います。

 

例えばドクターに叱られてションボリしている後輩をフォローする。経営者或いは上司として言わせてもらえば「本人のためを思ってしかる」ということも必要と考えるわけです。

 

けれども叱りっ放しで、本人を追い込んでしまってはいけません。「逃げ道」を作っておかなくてはいけないと思います。

 

そしてそういうフォローをする人間が、看護部の場合は主任クラスの人だろうし、そうしたサポート体制がうまく機能している施設は、非常に良い職場だといえます。

 

講演などでもよく話すのですが、主任クラスの人が頑張っている施設は伸びる施設ですね。

 

具体的にはどのようなサポートができますか

 

叱られても「頑張るぞ!」と奮起できる、気持ちを切りかえられる、そういう前向きなタイプの人は大丈夫です。

 

でも叱られたことで萎縮してしまう人には「あのドクターがああして叱るのは、あなたのことを期待しているからよ」などと、フォローの一言をささやいてあげる

 

ほんの一言でいいんです。

 

言葉というのを素晴らしい力を持っているもので、ちょっとした言葉がけが、人を救ったり失望させたりします。

 

「あなたにはこういう良い面もあるのだから、元気を出して」と、その人の利点を指摘して励ましてあげてもいいですね。

 

人間というのは褒められると心の許容量がグンと増え、「また頑張ろう」とやる気を出すのですから。

 

ドクターとナースのブリッジ役としては、常日頃から、両者が何でも言えあえるフランクな環境を率先して作っていって欲しいと思います。

 

そのためには、一緒に遊んだりすることも必要かもしれません。また飲みに行ったり、お互いを知り合うチャンスを沢山計画していってください。

相手を思いやり協力し合う土壌を作る

ドクターとナースが良好な関係を築くための日頃の心がけを教えてください

ドクター対ナースに限らず、他者との良好な関係を作っていこうとするならば、「相手は何を望んでいるか」「どうやったらこの人は喜んでくれるのか」ということを常に考えながら接することです。

 

仕事においても、「自分が次にどういう行動をとったらこのドクターは、或いは、スタッフは仕事がしやすいか」という配慮をすること。

 

常に相手のことを考えていれば、それは自然と行動に現れるし、相手にも伝わるものです。

 

その究極の姿が手術場ですね。

 

緊迫した状況下で、何も言わなくてもこちらの意図をくみ取り、あうんの呼吸で器械出しをしてくれるナースは、我々ドクターにとって本当にありがたいし心強い存在です。

 

逆にドクターも、ナースの状況を思いやり、どんどん手助けするべきです。

 

私も、オペ室で手が空いたときは、ナースと一緒に器械の手入れや後片付けをするようにしています。

 

「自分の仕事はオペをすることであって、器械の手入れはナースの仕事」などと、無用な線引きをする必要はありません。

 

そして、そういう助け合いや配慮からホットな関係が生まれてくるのです。

 

ですから円滑な関係を構築しようと思えば、相手の事を一生懸命考えることが大事。

 

恋愛と一緒ですよ(笑)

 

望月智行 川越胃腸病院理事長・院長

 

以上、【現役ドクターが語る】ドクターとナースの関係をうまく改善・強化する方法についてでした。転職サイトの選び方も是非参考にしてください。
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